箱根芦之湯温泉 「きのくにや旅館」 その15 (黄金湯総論)
今回は疑惑の残る「黄金湯」について、これまでの沸かし湯仮説と他サイトの参考情報を元に総論として話をまとめることにします。
※参考記事※
まず疑惑の元となっている点だが、真ん中の「達磨の湯」と手前の「黄金の湯」が温泉らしくない湯でありこの湯の正体は?というのがそもそもの疑問。
他サイトさんの情報で2007年頃に湯使いに変化があったことが見て取れ、近年はどうも湯の表示が実際とあっていないのではないかという意見が出ている。この件は私もまったく同意見。そのために疑惑が生まれたので。他サイトさんではそれ以上深く追求しておらずコメントも抽象的なので当ブログでは情報源を明確にして踏み込んだレポートを心がけたい。そのため今回はちょっと視点を変えて館内で掲示されている情報を元に考察していくことにする。
館内で掲示されている「湯使い宣言」では貴賓殿男内湯の「黄金湯」は源泉は「芦之湯三・六号泉」。他のほとんどの内湯と同じ源泉である。硫黄泉の芦之湯源泉のうち、一号泉だけ「正徳の湯」で利用しているが、他はすべてこの「芦之湯三・六号泉」である。
掲示されている温泉分析表だが、ここには源泉名・芦之湯温泉(源泉名 底なしの湯、黄金湯(2番))とあり台帳番号・芦之湯第3号、6号混合とある。源泉位置図でも3号・6号利用となっておりこの点はつじつまが合う。湯香殿内湯に掲示されている温泉分析表も実際に源泉は同じ表記であり、源泉温度は34.7℃、pH 7.6の単純硫黄泉である。ここまでの情報は掲示通りですべてつじつまがあう。
次に実際の黄金湯の浴槽だ。5本の竹筒のうち奥から2番目の湯は硫黄泉の特徴が見られ温泉であることはすぐわかる。湯温が低く芦之湯三・六号泉の源泉温度が低いことを考えると加温していない源泉そのままの湯ではないかと仮説でも書いた。
最後に残りの「達磨の湯」と「黄金の湯」と書かれた湯口。実際には館内掲示では利用していることにはなっておらず利用しているとも何処にも記載はない。なので掲示表示している内容は間違えていないことになる。
ではこの温泉っぽく流れ出ている湯口はなんなのか?、想定するに以前の名残なだけではなかろうか。他サイトの情報では以前は複数の源泉について泉質泉温も掲示され合わせ湯となっていたようだが、ある時期から湯使いを変えたことがわかる。その際に利用していない源泉の掲示はやめた(現在はないので)のだろうが、湯口だけそのままの形で今も残っている・・・。そういうことなのではなかろうか。そうだとしたらそれはそれで問題ではと思うが、良し悪しに関しては仮説の記事の中でとりあげているのであえて今回はスルーする。
この観点から考えるに「達磨の湯」と「黄金の湯」の湯口はただの名残だとしても、実際に湯の正体の答えはわからずじまいだ。利用しているという事実がないのだから。。。
判明していることを羅列してみると、
■「達磨の湯」「黄金の湯」の温泉分析表の掲示はない。
■浴槽内で利用しているという記載はない。
■源泉位置図には名前はあるが利用していないことになっている。
■湯は無色透明無味無臭。硫黄泉の特徴がない。
■湯温は熱めとぬるめ。時間帯で湯口が逆転していた。
やっぱりこの湯は沸かし湯ではなかろうか。先日他サイトの情報検索をした際にも無色の湯で硫黄泉っぽくない湯だという意見があったサイトはあったがもう少し細かい分析がほしいところ。近々で利用した方は印象など是非ご意見をお寄せいただきたい。
- 関連記事
-
- 伊東温泉 「伊東ステーションホテル」 (2009/12/31)
- 箱根芦之湯温泉 「きのくにや旅館」 その16 (総評) (2009/10/05)
- 箱根芦之湯温泉 「きのくにや旅館」 その15 (黄金湯総論) (2009/10/04)
- 箱根芦之湯温泉 「きのくにや旅館」 その14 (黄金湯再考) (2009/10/03)
- 箱根芦之湯温泉 「きのくにや旅館」 その13 (お食事篇) (2009/10/02)
※見てくださった方々へ、、ご参考になれば幸いです。よろしければ「拍手」頂ければウレシイです
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |